最高裁判所第二小法廷 昭和49年(行ツ)78号 判決
上告人 本田義秀
被上告人 運輸大臣
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人松本茂三郎の上告理由について
所論の行為が行政事件訴訟法三条にいう行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に該当しないとした原審の判断は正当である。原判決に所論の違法はなく、論旨は、独自の見解に立つて原判決を非難するものであつて、採用することができない。
よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判官 岡原昌男 小川信雄 大塚喜一郎 吉田豊)
上告理由
一 本件において上告人が取消を求めているのは、自動車損害賠償保障事業委託契約準則(昭和三一年二月六日運輸省令第三号)第七条によつて準用される第六条あるいは第四条に基く運輸大臣の決定である。
運輸大臣の右決定は、行訴法第三条所定の公権力の行使に該当する行為として取消訴訟の対象となり得るものである。
しかるに原審は、右決定は右同条の「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為または裁決に該当しない」として控訴を棄却した。
右は行訴法第三条の解釈を誤まつたものであり、判決に影響を及ぼすこと明らかであるので原判決は破棄されるべきである。
二 右の上告理由は、本件第一審で上告人が昭和四八年九月二一日提出した準備書面<略>第二項の(一)、(二)、(三)、(四)の通りであるので写を添付しこれを援用する。
但し、右準備書面中原告とあるのを上告人被告とあるのを被上告人と読み替え御判読願います。